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厚生労働省に「サリドマイド製剤安全管理手順」 等の重大な改定に反対するパブリックコメントを提出

 「サリドマイド製剤安全管理手順」等の一部改訂についてのパブリックコメントが2015年7月27日提出期限で意見募集されました。

 新薬学者集団は、管理手順の緩和に反対し、教育の徹底と現行管理手順の継続遵守を求める意見書を2015年7月27日に提出しました。


主たる意見
改訂案は、現行の管理手順の根幹である、管理センターによる中央一元管理を廃止するとしている。患者や医療関係者による管理手順への不満や負担感をその理由としているが、患者や医療関係者の利便性を理由に、このような重大な改訂を行うことは決して認められない。

 

意見の理由
「薬剤サレドカプセルの服用および管理の状況、安全管理手順TERMSに関する調査のまとめ」が示す内容からは、「サリドマイドが過去に大きな薬害を起こしたことを治療開始前に知っていたか」との問いに対して、40歳未満では、回答者の37.5%が「医師からの説明で知った」と答えており、サリドマイドによる催奇形性の被害に関する認知度に、それ以前の世代と大きな差を示している(問13)。将来、このような世代によるサリドマイド剤の使用者が増加し、治療に係る医療関係者においても、サリドマイドによる薬害の歴史を知らない世代が取り扱うことになる。このような状況を踏まえれば、現時点で管理手順の必要性について理解度が高く、遵守され、安全管理が 確保されているとの現状判断のもとに、患者や医療関係者による管理手順への不満や負担感を理由に(サリドマイド及びレナリドミドの安全管理に関する検討会報告書)、現行の中央一元管理を廃止する改訂は、将来、胎児の薬剤暴露防止の徹底を危うくする危険がある。安全管理に関する教育と管理手順の徹底を高めることこそ必要である。

 

くわしくは、下記の意見書をご覧ください。
「サリドマイド製剤安全管理手順」等の一部改訂に関する意見書(PDF)