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分野別 提言・アピール・記事

2005年6月6日

厚生労働省医薬食品局審査管理課 御中

抗リウマチ薬の臨床評価方法のガイドライン(案)について意見を提出致します。

新薬学研究者技術者集団

[意見]

次の2点について、不適切であり是非修正してください。

1.比較臨床試験対照薬の用量

ワード版12ページ11-15行目

「MTXやSASPを対照薬とする場合の問題点としては、添付文書上の臨床用量が、いずれも世界の標準的用量の約半分であることである。しかし、この点はわが国の申請用量内で試験を行わざるを得ない。

また、これらの薬物は、安全性を考慮して用量を漸増するのが一般的なので、試験計画ではその点も考慮する」を次のように改める。

「MTXやSASPを対照薬とする場合の問題点としては、添付文書上の臨床用量が、いずれも世界の標準的用量の約半分であることである。用量 の漸増なども含め、試験計画にあたってはその薬物が一般診療で用いられるようになった際にその有効性・安全性を裏付ける比較臨床試験データとして評価に耐 え得るものとなるよう留意する。

理由: ガイドラインが、対照薬としてメトトレキサート(MTX)とサラゾスルファピリジン(SASP)を、現状での世界の標準的抗リウマチ 薬として、推奨しているのは妥当と考えますが、その用量に問題があります。比較試験のデータはきっちりとした対照と比較してこそ意味があります。不備があ るものとの比較データをとっても役立ちません。これらの薬剤の申請データが作られたのはかなり以前のことで、用量設定に問題があることについては多くの指 摘があり、現時点でこれらの医薬品の適正使用に問題を生じています。「しかし、この点はわが国の申請用量内で試験を行わざるを得ない」の記載は不適切であ り削除すべきです。

2.各施設での目標症例数

ワード版13ページ12行目

「また、医療機関ごとの症例数は10例以上を目標とす るが、必須ではない」は、「また、医療機関ごとの 症例数は10例以上を目標とする」と修正する。

理由: 日本の臨床試験の大きな問題点として、各施設での実施症例数が極めて少なく質が低いことがあげられています。「目標とする」としながら、わざわざ「必須ではない」と付け加えるべきではありません。