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薬局・薬店でのたばこ販売は禁止を

2005年2月18日
新薬学研究者技術者集団

 世界保健機関(WHO)の「たばこ規制枠組み条約」が、いよいよ 2005年2月27日に発効します。この条約は、公衆衛生分野では初 めての国際条約で、日本は率先して批准しました。条約は締約国 に、たばこの広告や販売促進の原則禁止や、包装面の30%以上を 健康への警告表示にあてることなどを義務付けています。今回の 発効により日本は、3-5年の間に国内の法的な整備を進めること になります。

 たばこの害について2004年12月、米国ハーバード大学の研究グ ループは、2000年の1年間に喫煙が原因で死亡したと考えられる 人は、全世界の482万人で死因の12%を占めるとの調査結果を発表 しました。また、2004年6月26日号の英国医師会雑誌(BMJ)の論文 は、34439人に上る多数の英国男性医師について、50年にわたり 喫煙習慣と死亡をモニターした息の長い研究で、紙巻たばこを吸 いつづけた喫煙者は、生涯にわたって喫煙しなかった人より平均 して10年早く死亡したことを、明らかにしています。

 最近、国としては初めてブータン政府が2004年12月17日からた ばこの販売を禁止しました。また、イタリアでは学校、役所、鉄 道など公共の場所での禁煙の総仕上げとして、1月10日から飲食 店での喫煙が禁止されました。

 世界でも日本でもたばこによる死亡や健康被害をなくそうとの 取り組みが進む中で、日本では今でも薬局・薬店でのたばこ販売 が容認されています。しかし、健康被害の原因物質と治療剤の両方を販売して利益を得るなどということが、許されるはずがあり ません。

 国(厚生労働省)は、「たばこ規制枠組み条約」発効に伴う条件 整備を進める上で、薬局・薬店でのたばこ販売を禁止すべきです。

 国際薬学薬剤師連合(FIP)は2004年9月に、すべての認可を受けたヘルスケア施設から、たばこ販売を排除する法制化を支持する旨を表明 し、薬局でのたばこ販売の禁止を求めています。薬局なども法制化を待つのでなく、国際薬学薬剤師連合(FIP)による呼びかけに応じ、たばこ販売を直ちに 中止すべきです。